風もない室内を
さっき動きが渡っていった
吊るしてある金属のパイプの風鈴が
ひとしきり
音を響かせた
地異は方々に顕著になり
今までのようには
人びとは住めなくなるだろう
祈ると称して
神々を
自己利益のために
使うのはもう止めて
地と海と川と空の安寧のために
祈るべき時
破壊し
汚し
荒れ果てさせた自然の
心を安らげようと
改めるべき時
日本は
自然の神々に
心のじかに通じるところ
日本の神々の名と物語の表象を通じて
旧知の親しい友たちのように
彼らに安寧を保証すべき時
動き出したものを
もう止めようもないものの
いちばんの打撃は
それでも
逸らしてくれようというもの
われわれ自身の
本当の身体である地と海と空と川に
なにをしてきたか
なにをしてこなかったか
それを思い返して
祈り
それらにこそ謝罪し
心から同化して
安寧を保証すべき時