美しいもののなかでも
人間がつくった美しいものを
しばらく
見続けてきて
休息にレストランに入ったり
カフェでは
隣合わせた人たちの話に
耳を傾けたり
興奮ぎみに
人びとが言い募るのは
ほんとに飛んでもないでしょ?話とか
これって信じられる?話とか
じょうだんじゃないわよ!話とか
ありえない人でしょ!これって話とか
さもなければ
老いて楽しみもなくなっていくだけだわ…話や
余裕もないからカツカツで生きていくだけよね…話など
そんな話などやめて
黙りさえすれば
どこにも行く必要などないほど
まさに今
この場所に居続けてさえ
空も雲も
こんなに美しく
窓ガラスも
車のボディーも
濡れた路上も
心を突き抜けるほど綺麗で
街はなんとたくさんの
奇跡でいっぱいなことか
今ここにいて
この角度から見る
聞く
感じる
この世界が
無限の大宇宙のなかで
このじぶんの今にだけ与えられた
特別の出し物なのを
だれも
忘れてはいないはずなのに
忘れたふりをするのが
得意なんだよね
人類
ぼくはもう
ふりもやめて
正直に
感嘆しているんだ
どこにいても
いつでも
世界はこんなにも美しい
時間よ止まれ
など
言う必要さえもない
次に来るものも
その次のものも
どれもみな
美しいと決まっているのだから
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