蝮の子らよ、差し迫った神の怒りを免れると、だれが教えたのか。
「ルカによる福音書」3-7
ペットの殺処分を減らす努力をしている人から
頻繁に動画へのリンクが送られてくる
送られてくるままに
ぼくは殺処分の動画を見続けている
たいていは殺処分前の動物たちの
悲しげな目や鳴き声に焦点をあてたもので
最後に死体になった動物たちが写される
たまに殺処分の瞬間を写したものもある
ドリームボックスという殺処分部屋の中で
ガスを注入されて犬たちは七転八倒し体を痙攣させる
四肢を上につき上げてしばらくビクビクさせる
安楽死とは程遠いのが一目瞭然でわかる
やがてゴム製の重い体のように変わってしまう
レジ袋に何匹も投げ込まれて
保健所に持ってこられた子猫たちや
小さめの犬たちは
簡易処分機に入れられてガスを注入される
小さな死体は「猫車」という一輪車にたくさん積まれ
殺される時にコロコロ、ドロリと出た糞尿とともに
焼却場へと運ばれる
焼かれて産業廃棄物とされるという
Youtubeでは【閲覧注意】と記されていて
残虐な殺戮場面や死体アリですよと警告されているが
これらの映像を残虐だから見せるなと思う人たちは
いまも絶えないナチス党員の御家族だろうかナと思う
本当の【閲覧注意】映像とはなんだろう
ペットを捨てる人たちの姿や顔や生活ぶりや
保健所に自分のペットを持っていく人々の姿ではないか
そういう人たちの姿が子どもたちにも「ああして
いいんだ、かまわないんだ」と思わせ
ペットのポイ捨ては代々継承されていくことになる
どこかでそこに断層を作るには殺処分映像は強い力を持つ
お金や場所さえあれば全部飼ってやりたいような
純朴な顔をした柴犬たちや人なつこいダックスフントなどが
口をあけて体を震わせピクピクして尽きていく
ぼくはなんどかくり返し見て
またなんどかくり返し見るだろう
ぼくはこれをぼくの遺伝子と魂に刻み込みたい
ぼくはそのためにくり返しくり返し見る
ぼくは
ぼくは
そうしてぼくは言い続ける
ぼくの遺伝子と魂に言い続ける
人間はこういうことをしています、と
ぼくはこういう人間のうちのひとりをやっています、と
殺処分され続ける動物たちのように人間もされねばなりません、と
そうでしょう?そうじゃなければ自然が黙っちゃいないでしょう?、と
こんな殺処分のしかたは人間に大きく大きく返って来ます、と
鳥インフルエンザで生き埋めにしたたくさんの鳥や豚たちのありさま、と
口蹄疫で殺処分される時の牛たちの恐れと魂の絶望、と
あれがもっとひどいかたちで世界中の人間に返ってくるのでなければ、と
宇宙の霊のしくみには欠陥があり過ぎるということになるでしょう?、と
人間はもっともっとひどいことになります、と
だれも言葉を発しなくなるほどの大量死が年々増していく、と
これまでのことなど予告編に過ぎない、と
さあいよいよゲームのはじまりです、か?、と
この世は誰にとっても迷路
正しい道を教えられることはないから誰もが間違う
先祖たちも曾祖父母も祖父母も父母も間違い続けてきている
しかしそれでも少しは間違いから後戻りして
より間違わない道を歩くこともある
けれども人間たちはとうに道を逸れ過ぎてしまっていて
もうとり返しのつかないところへ来てしまっている
もう雪崩れていくしかないところ
大量の無限に感じられる人間死によってだけとり返しが
少しはつくかもしれないところ
★参考映像。淡々と犬や猫が殺傷処理されていく過程をくまなく写したもので、ホラー映画のような意図的な衝撃性は全くないが、身近な動物たちが生体から死体へと「処理」されていくさまを直視できないという人には、まさに【閲覧注意】。報道サイト「ペット残酷列島」(http://www.spk-yamashita.jp)の代表的な啓発動画で、愛媛県動物愛護センターの全面協力を受け、「犬猫の収容からガス殺~焼却という一連の処分過程を余すところなく収録した」ものという。
★参考映像。殺処分が人間に適用された場合。アウシュビッツとビルケナウのホロコースト。