2012年7月7日土曜日

シ~ラケ鳥 飛んだ




自然と人間、人と虫と獣と鳥、生者と死者とが
渾然一体となってつくりあげている空間を、
かつてわれわれは日本と呼んだ。
江藤淳『自由と禁忌』





どんどん
国がこわれていくの
見たいね

いいね
みんなで滅びていくの
さびしくなくて

原発再稼働
いいね
関西も終わるから

民主党めちゃめちゃになるの
いいね
前原、岡田のあの馬鹿どもめが

自民党がどのつら下げて
なにをいまさら
えらそうに吠えてやがるんだって、ね

祝!放射能全国拡散!
侵略してくる気も
おのずと削がれるし、ね

用事で警察に行く時は
注意だよ
トイレで盗撮されちゃうからね

ゲシュタポじゃないよ
特高じゃないよ
検察さまだよ~ん



…ぼくらは
中学の頃から
シラケ世代と呼ばれ
シラケ続けたおかげで
いのちが
まだ長らえている感じ
他の世代は
馬鹿だからね
戦中青年のように
乗せられて
経済社策国策の
よき戦士たらんと
馬鹿まる出し
ぼくらが上に見てきたのは
全共闘世代の独善ぶり
団塊世代のノータリンぶり
ぼくらは寡黙に聞くふりをして
御説ごもっとも
叔父さん
お兄ちゃん
心のなかでは
馬鹿かこいつら
いずれはこの国ポシャルから
見てな
おまえら老いる頃
とうとう本当に
なっちゃった

馬鹿でマヌケなにっぽん社会
ペリーにやられて
戦争に負けて
朝鮮特需でアメ公の
下請けになって繁盛したが
しょせん下請け
臨時工
あるいは派遣のたぐいにて
もう少しいえば
どこまでも
イエローモンキーうっきき日本
アジア人らを欧米が
マジで相手にするはずないぞ
ジンギスカンの実力を
持って攻め込むほかにはない
歴史を学べばいつまでも
甘ちゃんなんかじゃいられまい

子どもの頃から
この国とは
マジでつきあう気はないさ
その戦略は当たったね
いつも他世代を盾にして
時代の毒矢を凌いだぞ
大切なのは前面に
とにかく出ないで実を取る
実とはなにか
大忙し苦難災難その中で
ひとりのんびりできること
花よ蝶よと詩に遊び
古今の詩文舞楽を愉しみ
赤貧洗うが如しと世間に嘯き
川の流れの間に間にできる
淀の安逸わがものに
軽々やすやす暮らすこと
どうせ地球は滅びるさだめ
太陽とともに消えるわけ
そんなところで永遠や
業績だのを作るとは
そもそも気違いざたでしょが
ただこの今の今の今
それだけをよおく愉しめよ
明日どころか数秒後には
死ぬかもしれぬわけだから
それまでの時間空間を
よくよく味わっておくというまでよ


まとめ歌として
なつかしの
《シラケ鳥》

♪(童謡「シャボン玉」のメロディーで)

シ~ラケ鳥 飛んだ
屋根まで  飛んだ
屋根まで  飛んで
シラケて  落ちた
落ちるなら 飛ぶな
シ~ラケ鳥 落ちた


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