キャラメル味の怨念が遠浅の朝まだきの海で水浴している
乳房が金属製の球体のように輝き
腰から未来の殺戮が生れ出る予感さえして、
つとつと、した、した、と
わが辱書の構想を刺激してくるが
砂に突っ込んだままのペニスをひとしきり私は動かし
傷も癒えつつあった亀頭をふたたび血みどろにして地球に赦しを乞う
シカシ、オ前ハ宇宙ニ赦シヲ乞ウカ?
乞ウカ?
と地球に思いを染み込ませようとしながらスマホを弄くる左手の真ん中に
薄く硬いこの端末は射精するとともに経血を同時に迸らせ
萎えていくのだ、たちまち
スマホは
遠い岬の突端の城の尖塔をわがままに輝かせたままで
たぶんベルリンの小さな公園の軽食屋のテラスにも分身しながら
湯気の立つソーセージを頬ばったばかりの私は
地上のどこにも存在しない形而上の脳内で万物の再融合を夢みている
破壊がピンクのリボンを股に滑らせて
横の椅子にちょこんと座りに来るが
片方の乳輪に抹茶の味を想起するばかりで私は手も触れないでいる
この裸の女体も自殺へと向かうだろうが
人体はたわわに地上に満ちており
知っているのだ、
翌朝にはまた次の乳輪がちょこなんと
同じように隣りに座りに来るだろうということを
問題はどれが本物かということだが
知っているのだ、
放っておいてもかまわない問題だということも