2015年11月29日日曜日

どうかご安心を



図書館の奥に[ある階段の下のちょっと隠れた感じの空間に]
あるその机
[][海の端がいつも来ていて波が打ち寄せるので]
私のお気に入りだったから[図書館
に行く
には]いつもそこに座る
ようにしていた

机に居ながらにして[つねに海が手元にあり
波が打ち寄せ続けるのだから
なにより]海の詩など[はそこでは]読む[必要がなくなり
ずいぶんと手間が省けたが
水を舐めてみるとちゃんと塩辛いので]
夏の暑い日[など
塩分補給のために時どき舐めるように努めたりもした
塩飴を食べたりして塩分補給をする必要がなくなったので
その意味でもずいぶんと手間が省けた]

[さて
私が]今書きつけているこれは
[とりあえずは詩のかたちを取っており
わずかながら事故的に目にしてしまう人もいるので
そんな事故的読者のためを思って行動すれば
ここらあたりでこの書きつけは終える必要があるだろう
人が詩のような書きつけに求めるものは
たいていはごくわずかのイメージや韻律であり
あるいはそれらの組み合わせであり
それを超えた数量のものはけっして求められていない
物好きにも複雑に織りこまれた構造など読み取ってみたい時には
人はかならず古典をのみ読むものであって
偶然目にした同時代の書きつけなどに本気では向かわない
適切なところでプツッと書きつけは切断すべきで
わが親しい読者よ
私は皆さん以上に読者心理に通暁しているし
皆さん以上に飽きっぽいのだ
どうかご安][]

[ともあれ]
図書館の奥にある[階段の下のちょっと隠れた感じの空間にある]机に
[海の端がいつも]来て[いて波が打ち寄せるイメージは
ここまで]読んできた[事故的読者の方々の意識に
かなり深くまで入り込んだはずだろう
私が言語を]魔術[として扱い
深層心理に特殊な装置を言語で埋め込む作業を続けている
現代では稀な記述者だということは
幸い]まだ[そう知られてはいない

私が]行っている[のは数十年来あいもかわらず
徹頭徹尾]秘教的[]行為[と云える]




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