2022年11月27日日曜日

瞬間瞬間がそのまま永遠

  

 

からだを持たされて

からだなんか持たされちゃってさ

といつも面倒に思っている

こころなんかも持たされちゃって

いるのか

こころ=じぶんなのか

そのあたり諸説あり

状態で

生きているんだか

夢見てるんだか

そのあたりも諸説あり

気分の続くなか

 

それでも

継続の功とでもいうものが

あるのかもしれず

 

瞬間瞬間が

そのまま永遠

だった

のだ

ある頃から

ひしひしと感じるようになり

 

いまでは

疑いようもない

真理

 

記憶のいい人も

記憶のよくない人も

思い出してみたまえ!

諸君!

過去のどんな瞬間も

完璧な玉のようななにか!

どれもこれも

損われようもない

瞬間!





今にはじまったことではない

 

 

 

生きている人は死んでいて

死んだひとこそ生きているような

鈴木清順 『ツィゴイネルワイゼン』

 

 

 

DVD

鈴木清順の主要な映画は

持っている

 

ひさしぶりに

「ツィゴイネルワイゼン」を見直した

 

語り手で

主人公のひとり

独逸語教授の青地豊二郎以外は

みな

どこか

異常な登場人物たち

 

そういう人物設定を

ひさしぶりに

確認すると

気分的にホッとするものがあった

 

右も

左も

異常者たち

ヘンな人たち

 

国は

どんどん

軍事国家化し

時代は

どんどん

戦争に

深入りしていく

 

ホッとするものがあった

 

今だけではないのだ

 

今にはじまったことでは

ないのだ





2022年11月25日金曜日

ニャ振り

 

 

サッカー試合に興味がないので

カタールW杯というのもどうでもいいが

ものを食べながらLIVEを見ていたら

日本チームと対戦しているドイツチームに

ニャブリ

という選手がいるのを知って

俄然

ドイツびいきになってしまった

 

なんといっても

“ニャ振り”

なのであって

「ニャ」

という音に反応する種族としては

放っておくわけには

いかニャいのだ

 

こりゃあ

ドイツチームのくせに

フランス語の名字だニャあ

と思って

つづりを見てみると

やっぱり

Serge Gnabryとあって

どう見てもフランス名だ

父親がコートジボワール人なので

フランス植民地の人間の名を使っているわけだろう

コートジボワールというのは

コート+ド+イヴォワールで

象牙海岸という意味になる

植民地時代まるだしの名だ

 

スポーツの国際試合を見る時

どこの国を応援して見る

という癖が完全になくなってしまっていて

なんでもいいから

強いほう

技術力や気概の勝っているほう

積極的なほう

をひいき目にして見る

 

ところが

「ニャ」という音が入った選手となれば

これは特権的に優遇されねばならニャい

今のところ

各国に「ニャ」音保持者は他に見つけていないので

しばらくは

ドイツのニャブリびいきで

なんとなくニュースを追っていくことにニャる

 

他のことはどうでもいいのニャ

 

日本チームが

思い切って

ニャッポンとか

ニャパンとか

改名してくれたら

絶賛応援しちゃうのだが

ニャあ





creatio ex nihilo

 

 

無からの創造

すなわち

creatio ex nihilo

 

後代のキリスト教で形成された

この宇宙観ほど

危険

なものはない

 

無から創造が可能なら

いつでも

有を無に戻せる

 

物質界の様相が意に沿わぬものとなれば

いったん無にして

その後の

ふたたびの創造を待つ

という態度が

容易に正当化される

 

この教義は

万物のかたち(エイドス=形相)だけでなく

質量=ヒュレーも

神が創造したという発想から来る

紀元3世紀の教父

テオフィロスやオリゲネス以後の発想である

 

浅薄な煽動思想として

SDGsという危険思想を耳にするが

もし

少しでも本気でSDGsするなら

まずは

キリスト教を殲滅するところから始めるべきである

 

善のふりを何百年もしてきた

大本の巨悪をそのままにしておいて

なにがSDGs

 

もっとも

キリスト教が支えてきた

地上悪を除去して

物質界の基底部に残っている

キリスト教以前の本源状態に対してSDGsする

という気ならば

別だが

 

しかし

どこまで遡るつもりか

全きアイオーンたる

プロパテール(原父)やビュトス(深淵)までか

それとも

そこから流出した四つのものの状態までか

それとも

さらにそこから流出した八つのものの段階

すなわち

「根源的なオグドアス」までか

それとも

さらにその後に流出したものたちから成る

三十のアイオーンのある段階までか

 

オグドアスの段階で

古代エジプト神話まで

遡らねばならなくなるだろう

エジプト神話では

天地創造以前の混沌とともに

男女四組の八神が存在したとしている

 

オグドアス概念は

日本の神話や伝承にも飛び火している

『日本書紀』における崇神天皇の巻においてさえ

は特権的である

 

九年春三月十五日、

天皇の夢の中に神人が現われ

教えていわれた

赤の楯八枚

赤の矛八本で

墨坂の神を祀れ

また

黒の楯八枚

黒の矛八本で

       大坂の神を祀れ




2022年11月23日水曜日

けっこう悪くない案だよ これ

 

 

トイレの水洗タンクの上に

手を洗う細い蛇口が出ていて

そこから出た水は

タンクに流れ込んで

そのあと便器に流れ込む

 

うちのトイレは

そんなしくみになっている

 

蛇口の下に

便器の汚れを軽減する…

という謳い文句の

液体洗浄剤入り容器を置く

というやりかたを

けっこう長く続けてきた

 

けれども

謳い文句ほどには

便器がきれいになるようにも

あまり見えないし

意外にはやく液体はなくなるし

ひとつひとつ買っていると

出費は少額なようでも

けっこう金がかかっているので

ほかのやり方のほうがいいのではないか

と思い続けてきた

 

そこで

空になった容器に

台所洗剤を入れて水で薄め

それを置き直してみたら

便器内にすこし泡が出るようになって

悪くないようだったが

これも意外とすぐになくなる

液体洗浄剤というやつは

ようするに界面活性剤なのだから

もっと安価にそれを配合して

それを使えば原理的にはいいはずで

それじゃあ次はどう工夫しようかと

いろいろ算段してみていた

 

そのうち

YouTubeで見た

海外の家庭生活のヒント番組を参考に

石鹸を使ってみることにした

小さい石鹸を蛇口の下に起き

すこしずつ溶けた石鹸分を

タンクの中の水に溶け込んでいかせる

なにぶん水はチョロチョロ出るので

あまり多めには溶けないが

じょじょに溶けていくことになり

便器のようすを見ていると

市販の洗浄液入り容器を置くより

もっと汚れづらくなった

すごくきれいになるとまでは言わないが

汚れづらくなってはいるように見える

そんな感じに見える

 

石鹸滓のようなものが

タンクにいっぱい入っても困るから

不織布マスクを切って作った不織布を

石鹸の下に敷いてみてある

石鹸をそれで包んでもみたが

そうすると溶けぐあいは減るので

石鹸を水にじかに当てたほうがいいようだ

 

不織布マスクというのは

わきを切ると中は袋状になっていて

じつはいろいろと使いでがある

使い終わったマスクは捨てずに

台所の排気口の小さな端っこ用の

フィルターなどに使ってきたが

トイレのタンクの上の排水口にも

使えるのがわかってきた

きっと植木鉢の底に敷いたりして

その上に土を入れるのにも手頃なはずだから

次の春にでも試してみよう

 

旅行してほうぼうで貰ってきた

小さな石鹸がけっこう押入れにあるので

トイレタンクの上に置くのに

しばらくは事欠かないだろう

いい匂いのものもあるし

ずいぶん質のいいのもある

俵屋のような高級旅館の石鹸もあるのだ

安くたってトイレ専用商品を買うと

一個で200円近くの出費になって

それが二週間ほどしか保たないのだから

月に400円以上の出費になるが

家に溜まっている小石鹸を使えば

年に5000円以上は浮くことになる

けっこう悪くない案だなと思う

 

ほんとに

けっこう悪くない案だよ 

これ





感傷マゾ

 

 

けっこう感度のいい学生に

寺山修司の作歌態度を紹介した

 

自己の経験したことなど

絶対に書かず

経験してもいない嘘っぱちを

あたかも自分の経験のように歌ったり

自己の経験を使うにしても

すべて別様にフィクション化してから書くこと

などなど

 

そうしたら

それって「感傷マゾ」ですね

と返ってきた

 

「感傷マゾ」…

 

文章を書く系の大学生のあいだで

流行っているそうだ

「実際にはなかった切ない思い出を刺激して感傷に浸る」

のだという

 

アニメや

文学作品で見たような

架空の思い出をモチーフにして

じぶんの架空世界を作って

浸るのだが

キーワードとして

「麦わら帽子」とか

「ひまわり畑」とかが

よく使われたりするらしい

 

なぁんだ

寺山修司なんか

「感傷マゾ」

そのものじゃないか

 

いかにも

「感傷マゾ」にぴったりの言葉ばかり

寺山修司って

集めて作ってますよね

ひょっとして

「感傷マゾ」の始祖として

名が残るかも?

言われてしまった




ウラサビシイ

 

 

Netflixchill」ということばは

セックスをする意味だから…

と若い子から言われて

なんだ

アメリカの若者のそんな古いスラングが

まだ日本では

ふらふら漂っているのか

と思った

 

アーク・ザ・ジャークというラッパーの

Netflix & Chill』という曲も

たしか

2015年ごろの曲じゃなかったか

べつに面白くもない曲で

あんなので

今どきの若者はいいのか?

と思ったものだが

 

Netflixを見ようとか

DVDを見ようとか

そんなふうに家に誘って

はじめは

きっと

ちょっとは見るのだろうけれど

そのうちイチャイチャし出して

コトに到る

ということで

Netflixchill」なんだそうだが

家に呼ぶのに

NetflixだのDVDだのを口実にしないといけない

というところが

なんか

ウラサビシイ

 

ところで

その子の友だちは

Netflixを見よう!と誘われ

せっかく

カマトトぶって

表面だけNetflixを見るふりをして行ったら

本当に

映画だけ見てさよならの一夜となり

怒り狂って帰路に就いたという

 

ははぁん

男の子のほうからすれば

Netflixを見る間の時間も

ヘンなのに引っかからないための

品定めの時間として

使えるわけか

 

去勢されまくった結果

今どきの男の子は

かつての女が得意とした手管を我がものとして

ゴタゴタや

なれ合いや

腐れ縁の発生をあらかじめ避けるのも

ひょっとして

得意になってきているのか