種として使う籾は
年の暮れまでに唐箕にかける
籾を落下させながら
風で粃を飛ばす
江戸時代からかわらぬ唐箕も
いまではりっぱな機械
籾の落下口は二箇所あり
一番口に重たいよい籾が落ち
二番口に軽い粃が落ちる
風の調整は難しい
強すぎればよい籾も二番口に入る
弱すぎれば悪い粃も一番口に入る
熟練の要るところだ
唐箕にかけた籾からは
尖端の茫や枝梗が除かれ
脱茫される
これをしないと
種蒔きの際に種蒔き機にひっかかり
均一の作業がしづらくなる
使われる脱茫機はシンプル
籾をすりあわせ
茫や枝梗を除くしくみ
一月末までに
このあたりまでは終わっている
次には塩水選
水より比重の重い塩水に籾を浸漬し
浮いてくる軽い籾を除く
水10リットルに2.3キロの塩量
1.16ほどの比重となる
卵を入れると
五百円玉以上の大きさにお尻が浮く
唐箕で選ばれ残った籾も
ここではたくさん浮き上がってしまう
それらはすべて除かれ
沈んだ優良籾のみが選ばれる
水でていねいに洗われ
塩分をとって
ようやく種籾が準備される
まだまだ作業は続く
次には
カビや細菌を除くための消毒
普通は農薬を使うが
手のかかる温湯種子消毒もある
60度前後の湯に10分浸し
水で冷却する
いざ種蒔きとなると
発芽条件を整えるために
まず浸種
水を十分に吸収させる
水分が13%以上になると
種籾の呼吸が盛んになり
細胞分裂や伸長が始まる
胚乳の中の澱粉は分解され
葡萄糖となってエネルギーになり
発芽が促進される
浸種日数は
水温×日数の積算温度で考える
発芽に必要な積算温度は100℃
水15℃なら7日で105℃
水20℃なら5日で100℃
積算温度が満たされたら
種蒔きの前に温湯に漬ける
そうして
一気に催芽
ちいさな根がまず顔を出し
いよいよ始まる
今年の稲
*籾(もみ)
*唐箕(とうみ)
*粃(しいな)
*茫(ぼう)
*枝梗(しこう)
*脱茫(だつぼう)
*塩水選(えんすいせん)
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