2013年3月12日火曜日

時間というものを見た




時計を見て何時か確かめたのではない
時間というものを見たのだ

眠っていた
浅いような深い
深すぎる
しかし長くない眠り
ふっと起きて気づいた
時間というものの外に出ていて
時間というものを見ていた

あること
ないこと
と一体なので
時間だけでなく
あることないことを見ていた
と言ってもいい
あることないことは時間で
時間はあることないこと
とも

透明なそうめんの
切れ目ない
ながいながい
無限の束の流れ
それが時間
たいへんな
速度
喩えようもない
急流
その外にいて見ていた
中に入っても
流されない
これが時間なのか
流れに直角に進める
容易に戻れる
しかし急流
外に出てみる
外で流れを見てみる

しかし
起きるまぎわ
透明なかなしみに
つよく襲われた

いまは流されないでいられる
しかし
いつかこの力は失せる
わかっているのだ
わかっているのだ
その時に力を
なおも保てるような布石を
この生では
し足りてこなかった

それは覚悟や
精神のようなものではない
たんに物質的なもの
たんに強情に居座ったり
たんにたくさんの子を持ったり
そんなことを
してこなかった

だから流されてしまう
ある日ふいに
抗しようもなく
わけも意味もなく

そうして
つよくかなしく目覚め
時間の中に戻った
 
しかし
時間の中にいるのなら
こここそ
流されている場所
流されているのではないか
いまこそ

とすれば
してこなかった
そんなことの意味とは?
物質的なもの
強情に居座ったり
たくさんの子を持ったり
それらはなにか

ああ、透明なかなしみ
つよく
つよく
これに襲われ続けて…

時間はかなしい
あることないことはかなしい
かなしさの中を
まだ
ゆくのか
時間から出ても
なおも
かなしさ
風に吹き消される炎?
吹き消されても
いくのか
かなしさを
すっかり
身体にするまで?


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