2013年6月12日水曜日

わかっていないことがらが





         Par les soirs bleus d’été....
                         Arthur Rimbaud




青い夏の夜…
とランボー少年が歌った頃
ぼくは生れてもおらず
彼が死んでも
まだまだ
生まれなかったので
たぶん
あの世で
ランボーと会っていたはず

細胞の生死のことは
ずんずんと
わかってきているようだが
特別のちからを
予期もせぬ授けられ方をした
わずかの人びとを
のぞいて
精神の
魂の
霊の生死は
まったくわからないまゝ

いま目の前にあることをやれ
というのは
たしかによき助言
生の充実と力の発揮のすべては
たしかに
集中にのみ懸かっているから

とはいえ
想像もしなかったような
想像してもわずかにずれていたような
想像のハチャメチャさのどうしようもなく欠けてしまうような
とんでもない
しかし
シンプルでわかりやすい
精神の
魂の
霊の生死が
やはりぼくらを
たっぷりと包みこんでいる
まゝ

もっと
もっと
大きくゆたかに不確かに
い続けよう
あれがわかったって
あれ以外はわかっていないし
大空や大海のように
わかっていないことがらが
ぼくらを
たっぷり包みこんでいる







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