いつも他の物語が在る
目でとらえられる以上のものが在る
W.H.オーデン
ながいながい物語が
無数の物語が
複雑に交差しあい
音もなく語られ続けているから
だれの声も
聞こえなくていい
風さえも
なにか語りたげならば
黙れ!
そうして
静かに座ってなどおらず
わたくしは動き続け
歩き
走っている
詩など
沈黙してしまえ!
もし
停滞や弱気や
たそがれや
衰弱に
親しみ続けているなら
物で溢れた部屋を
そのまま溢れさせておき
なにもない部屋を
そのまま空虚にしておき
みどりには
みどりを
コンクリートには
コンクリートを
木材には
木材を
つまり
なにものでもなく
固着せず
個着せず
すべてに順応する
この方針は
堅持するということ
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