墓参りに行ったら
彼岸だからだろう
もう六〇近いはずの
見知りの石屋がいた
ちょっとの間
姿を消したかと思うと
そうそうに戻ってきたので
「昼食ですか
「戻ってくるのがはやいなぁ
と言うと
「ええ
「私はなんでもはやいから
と返してきた
こんな時
石屋の立場にいたら
なんと答えるべきだろう
と思わされた
「ええ
「忙しいもんで
ぐらいが
キレイな答え方か
あんたの「私」のことなんて
こっちは聞いていないよ
それがはやかろうが遅かろうが
いい歳して
未熟者まるだしの
よけいな返答さ
とこちらは思ったものだから
面倒で
こわいものよ
人間の心理ってのはね
他人は
なにひとつ
素直には受け取っていないのさ
0 件のコメント:
コメントを投稿