戦乱のなか
取っつかまって首を刈られたりする人が
去年や今年は多く
なんと悲惨なことか
なんと不幸なことか
なんという悲劇か
などと世間はくちゃくちゃ言い
ちゃぺちゃぺ言っていたが
あれはあれで
けっこう幸せなことかもしれないと
ぼくは思ったりもした
大病院や
介護施設に行くことが少なくなく
家で動けなくなっている人たちの話も
さんざん耳に入ってくると
傍目には不幸と見える死にざま
殺されざまも
ひょっとしたら
けっこう幸せなことかもしれないと
一定の濃度のある霧のような存在感で
思えてならない
けっきょく
なににどう殺されていくか
ではないか
死にざまというのは
なににも殺されずに来て
なににも殺されないで来たことに
殺されていくことも
いっぱいあるのだ
あまりにも
いっぱい
0 件のコメント:
コメントを投稿