2015年10月23日金曜日

もう慣れた



狂ったのではないかと
以前なら思いもしたかもしれないが
いつからか
夜も朝で昼も夜を感じるようになっている
もう慣れた

どんな時もその場その時以外の過去がいっぱいそこに貼りついていて
いないはずの人たちが踊っていたり
机に凭れてなにか考えていたり
お茶を淹れようか?などと聞いてきたりする
もう慣れた

さまざまな年齢の子どもの自分たちが青年時代の自分たちの
足に腕を絡ませて遊んでいたりしていて
昨日の自分が、ほら、いま思い出した本を持って来てくれている
おとといの自分がランプを近づけてくれる
もう慣れた

時が矢のように一方向に進み続けて意識はその一点にいるだけなどと
思い込んでいられる人たちにもう合わせることができないが
こまかく語ってみるのも面倒くさ過ぎるのでむしろ黙ってしまう
もう慣れた

いいことも悪いことも本当に観察点の位置によるだけのことで
たとえ何処かで殺されたり事故に遭ったりしてもすべてには操りの線が
たくさんたくさん繋がっているのが見えるようになった
もう慣れた

生きていても死んでいてもあっけにとられるほど何も変わらず
もし変ったと見えるとすれば変わるものの側にいて見ているからで
本当の自分は変わらないものの側にしかいないと体感するようになった
もう慣れた




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