2017年4月17日月曜日

そんな時期に



ドリップさせて
ちゃんと淹れるコーヒーより
インスタントコーヒーを
さっと淹れるほうが
気分にとても合う深夜もある

そういう夜
音楽もかけず
モニターを点けたりもせず
手帳の月間欄や週間欄を開いて
正面にでなく
わきに置きながら
まだ自分でない自分
これから集まって来て
近い未来の自分を構成していく要素たちの
主要ないくつかを
霧の中に位置を探るように
見定めようとしたりする

見定めようとするとはいっても
かたちはどれもおぼろげで
漠然としか定位できないけれども
それがまたよいところ
かたちや出来事や事態たちは
時間とたくみに結託して
まだまだと思っているうちに
すぐにも現出してくるから

おぼろげで
漠然と見定めがたい頃にも
それなりの楽しみ
インスタントコーヒーの曖昧さは
そんな時期に
よく合っているのかもしれない




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