駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2017年4月3日月曜日
なににも況して貪欲に
ひさしぶりに銀閣寺に行って
ながく佇んでいたのは
順路も最後のところ
銀閣のうしろから
わずかの隙間を通して
庭園や山が見晴らせるところ
興味を示す観光客は少ないが
そここそ銀閣の中に座った人が
視野に収める景色の見えるところ
なににも況して貪欲に
意識のうちに取り尽して
明日からの銀閣寺の風景に
大きな破れ目ができてしまうほど
全力で引きちぎってこなければ
いけないわたしだけの風景
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