2019年1月27日日曜日

現場

主張が立ちはだかっていた

藁葺屋根
ではないが
よく似た印象のある
体育館ほどもある製氷室の
奥の一画

トナカイの(水口君から貰った)カードを
机のどの引き出しに仕舞ったか
忘れてしまったことに
30年もして気づく

ひとりで北国に住んで
もう
長いなぁ
あす
赤道近くの
縁もゆかりもないリゾート地に
行ってみる意志に
急に突き動かされながら
心のなかで
演技過剰に内的独白してみる
(せめて「つぶやいてみる」ぐらいに
(しておけばいいのに

そんなところに
立ちはだかっていると
いつまでも
凍ったままだぞ
主張に言ってやろう

そのためには
防寒のために三重にしてある
どれも重い厚いドアを
ひとつひとつ
ていねいに開けることから
始めなければならない

本当のコミュニケーションには
どれにも
重い厚いドアがある

主張など
凍ったままにさせておくほうが
賢明な選択かもしれない

そんな場合がいっぱいあり
現場というものが
いつも
主体なのだ



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