2012年4月15日日曜日

いつか詩人になります





ときどきバカな人たちに会う
あんなのは詩じゃない
などと言って
なに様なんだか…
ついでに
言ってくださるのだ
「きみのもな、あれはな…」

すべてが詩だというのが詩のおそろしいところ

詩じゃない
と言ったむこうさまは
かならず
詩じゃない
とこちらを見ている
詩が宗教であるゆえん
ふつうの人は
そりゃ、避けるわな
宗教はめんどうだもの
宗教の人は
うざったいもの

Aが詩ならば
BからZまでも詩なのですよ
BからZまでは
あれは詩じゃない
とAが言いはったって
それはそれ
Aの世界
Aの心ごころ

いまは昔
詩の小出版社の社員で
詩人○○○○
そう名刺に刷ってある人ありき
へえ
どんなの書いているの
と聞くと―

一行も一語も書きません
書く気もないし
読みもしないし
でも
どうせまったく読まれないでしょ
詩って
どれほど突飛かってことだけでしょ
詩人って
まったく書かないのが
だから
いちばん詩人です

…なあるほど

その出版社は倒産し
…どうしちゃったかなあ
彼、あの後
いまだに
詩人○○○○
なら
あまり突飛でないね
かつて
詩人でした
…それもつまらない

思うんだけどね
いつか詩人になります
きっと詩人になります
そう主張されると
なんかすごい
ただならぬ気配
そして
正確

だって
詩人は可能性のなかにしかいないから
来るべき未来のなかにしか
詩人はありえないから



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