2013年9月4日水曜日

待ちきれなくて 

 a lyric
 




あの時も花火で

暑くてたまらない夜
待ちきれなくて

花柄の浴衣
沁みるピンクの帯を 
ひらひら
蝶々みたいって
ちいさな
じゃれあい

今夜の花火
いっしょなのは
思い出

老けちゃっては
いないさ
ずっと
気持ちは若いのに

どうして
すべては移ろう?
どうして
きみはもういない?

わるいことなど
なにもなかったのに
去っていく
すべてよ
夜空にはじける
花火ほども
燃え尽きなかったのに

きみが来るのを
待ちながら
祈った
小さな神社

手を合わせながら
浴衣の背に
汗が染みていくのを
感じていた

疑わなかった
たぶん
きみとは続くだろうって

やがて
下駄の音
長い石段なのに
わざわざ上ってくるから
降りていくよと
言ったのに
いいの
わたしも
お祈りするんだから
きみは

どうして
すべては移ろう?
どうして
きみはもういない?

わるいことなど
なにもなかったのに
去っていく
すべてよ
夜空にはじける
花火ほども
燃え尽きなかったのに

今夜の花火
いっしょなのは
思い出

ずっと
気持ちは若い
こころも
思いも
老けるってことは
ない

永遠に若いままの
ぼくときみ

あの時も花火で

暑くてたまらない夜
待ちきれなくて

待ちきれなくて










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