2013年9月5日木曜日

ひとりぐらい




   

ひとりぐらい
友だちがほしかった

ひとりぐらい
人生にいたって
よかった

ぼくはひとりを嘆かないし
さびしくもない
夜中にたったひとりで
ひとり分を調理していると
これがぼくだと思う
このまま
ある日死ぬのだと思う
このまま
何億回も生まれかわって
宇宙の無限の時の迷宮のなかを
ひとりであり続けるのだろうと思う

けれど
友だちのある人生が
一度ぐらい
あってもよかった
そんな人生でなかったのは
いまでは
はっきりしているけれど

今回の人生では
ひとりぐらい
友だちがほしかった

ひとりぐらい
人生にいたって

よかった                                 
   





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