アメリカから来て
日本の中世の和歌を研究している人に
ひょんなところで会い
わざと古典的仮名遣いで書かれた
その人の論文なんかも貰ったが
まあ優秀なもんだと
驚きはしたものの
どうだかなとも思った
こうなっちゃうっていうのは
いろいろな文学の話にひろげようとして
あの作家だの詩人だのの話を出したが
ヘミングウェイなんてただの臆病の異常者とか
谷崎なんてそもそも論外だし
ギンズバーグのなにがいいんですか?とか
川端とか三島って狭い趣味の世界だし
だいたい現代で短歌や詩を書くのも無意味
とか言うものだから
ぼくはマァ鴎外なんだけどね一番好きなのは
って言ったら
うーむ…と黙ってしまった
古典研究者にはやっぱり鴎外は効くよね
中世歌人の誰それの
人生と作品の詳細な関係をいま研究中だというので
もちろん
人生はある程度は知るべきだけど
それによって作品を詳細に限定解釈しようなんていう態度は
つまりはサント=ブーヴの方法論で
プルーストがとうの昔にひっくり返したんだし
だいたい構造主義批評が全否定したでしょ?
現代の無思慮な歴史主義的批評や研究の揺り戻しも必然だろうけれ ど
批評方法論上の詳細な反省が必要だから
簡単に人生と作品を結びつけるなんていうのは
まあ文学研究以前の凡庸さを処理できていないってことだよね
と言い続けたら
うーむ…とも言わなくなってしまった
しょせん
きみは博士号の発行される領域のオタクなんだよ
課程博士のね
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