石がやわらかく降る高地から
降雨が数十年はないという草原に来て
驚く この青々とした見はるかす草の新鮮な枯れ具合に
魚がひとつふたつ 「私たちだって昔は
雲であったり 泡であったりした…」と呟きながら
ゆっくりと進んでいく …と思えば
ここ そこ あそこ と瞬間移動し いつのまにか
見えなくなってしまっているが、探していると
あ!太古の時計が太ったまゝ弾んでいる
たしかに暗号のかたまり… 特別の格子をあてて
ちょっと時間をかけて読み解くきみの背後に そっと
立って 時どき僕は覗くのさ、幽霊だからね
幽霊だからね 生まれたことなどなかったから 驚く
なにもかもに 新鮮に枯れ続ける草原にも
あの時計にも(しかもずいぶん正確に動いている…)
見えなくなった魚たちが きみの脇の下に顔を出して
時計の弾み 降る石のやわらかさで 「雲であったり
泡であったりした…」時代に成ってくる また…
0 件のコメント:
コメントを投稿