2015年8月11日火曜日

たまにははめをはずしてこんなことを




うちには祖父が三人いて
その祖父がとっかえひっかえ性交する祖母も
七人同居しておったので
けっこうな大家族であったが
そこへおらの父が八人おってどれが精子的に父か
ぜんぜんわからんで
母も十一人おったわけじゃが
もちろん卵子的にどれが母じゃったか
わからんかった
とにかくおらが生まれた時には
母のであろうが偽母のであろうが
姉であろうが手直にある乳房を宛がわれたわけで
どうやらそれが後年おらが街で平気でどの女の乳房にも
吸いつくようになった性向の由来であったと思っておる
こんな家族のなりたちなど
まったく他人にはよう話さんわけで
どう見ても昭和のにっぽんのどこぞのという感じではないが
たしかににっぽんのどこぞここぞあそこぞばかりに
おらのこの放浪大家族が定住しとったわけじゃなかったので
中国大陸に動いて行ったり朝鮮半島に流れて行ったり
インドからアフガンやイラクのほうにまで行ったりもして
けっきょくおらの家族はどこの国のものか
すっかりわからなくなっておった
おらの本当の父はどうやらインド人とベトナム人の混血で
おらの本当の母は朝鮮人か中国のどこぞの人と日本人の混血らしい
これもおらの七人の祖母のうちのひとりオデンコビビから
どうにかこうにか聞きとった話だからかなり怪しいが
もしそうだとしたらなるほどおらのにっぽん遠離症にも
それなりのわけがありそうなものと合点もいきそうなもの
どこの国でもよく故郷がどうこうとか地元がどうこうとか
育ったところがどうこうとか
なにか愛着を持つのが普通のような押しつけが漂っていたりするが
おらにはそういうものが全くなくて
他の国と比べれば今のにっぽんはなにかと便利にできておる
それは確かじゃろうという程度の認めぐあいだけがあるんじゃが
そしてそれはそれでええんじゃないのかと思うのやが
それがまぁどうして郷土愛とか故郷云々とかになるんやろか
アっタマおかしいのとちゃうんかぁとおらは思うが
アっタマおかしい奴がノサバルのが人界の通例やから
人界に執着しないし一時的に滞在するだけでどうでもええやろと
思いがちなおらにはホントどうでもええんやがな
まぁこんなおらのとうに消滅しちまった家族の話をおらは
たったひとりでべらべらべらべら家んなかでしゃべくりどおしやけ
今日は祖父や祖母のことを思い出してしもうて
ちっと書いてしまったというわけやが
まぁおらも今年で161歳を迎えるんで
たまにははめをはずして
こんなことを書くのもよかろうかと思っての…



0 件のコメント: