2015年8月12日水曜日

いそぎの用もないならば



いそぎの用もないならば
昼過ぎ遅くなってから
外の眺めも見晴らせる
居間の木椅子に凭れつつ
一行一行しっかりと
いそがず本を読みすすめ
いつのまにやら夕暮れて
  空いっぱいに散る雲の
ようすもちらちら眺めつつ
  なおもゆっくり読みすすみ
やがて一冊読み終えて
  はて人生のどのあたりに
戻るべきかと立ちあがり
  水を一杯飲み干して
そうだあそこの裏道の
  ビストロにでも行こうかと
ちょっとそそくさ身づくろいを
  はじめる暗い家のなか



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