2020年8月15日土曜日

ピエール・キュッサブトンへの感謝

 

 

8月15日は聖母マリアの被昇天祭だが

ナポレオンの誕生日でもあれば

ピエール・キュッサブトンの誕生日でもあった

夏にパリにいる時には

いつもピエールの誕生日祝いをしないといけないものだから

夕方ははやめにピエールのところに行って

アンリエットが拵えたご馳走を食べることになっていた

一度パリをみんなで離れて

南仏のほうに夏の旅をしていた時

アルビで8月15日を迎えたことがある

ピエールはどちらかというと節約家で

外食などぼったくりでしかないと言っていたものだが

この夜だけはほんのちょっとましなレストランに行った

みんなでだいぶ飲んだので

レストランを出た時にはいい気持ちにふらふらしていたが

とにかく激しい暑さの夏のアルビなので

周囲のどこを見まわしても中世の町並みの夜のなか

夢か物語のなかに本当にいるかのように思った

2011年に急に心臓が止まって逝ったピエールよ

女性を見ればマダムなどと呼ばずにナナと必ず呼ぶような

お高く止まるどころかつねづねお低く下がる

フランス語の俗語ばかりでぼくにしゃべってくれて

もちろん聴く歌はジョルジュ・ブラッサンスで

地に足の付きすぎたフランス文化を教えてくれたきみに

わが人生の杯を遅ればせに今傾けて感謝をしよう!




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