2020年8月21日金曜日

歩きながらちょっととらえなおす

 

日が落ちれば

森に

林に

歩きに出る

 

いっぱいの枯葉の

径もあって

ひどく暑い最中なのに

さくさく

音を

立てながら

行く

 

歩いていても

温度湿度は

どんどん変わり

ふいに

楽になる時もあれば

ちょっと

辛くなるぐらいの時も

ある

 

街灯のあかりで

すこし明るいところや

黒い糸のかたまりのように

まっくらなところや

蜘蛛の糸が顔に掛かるところや

しきりに虫の鳴くところや

 

ずんずん歩きながら

わたしの生は

こうして歩いていること

日が落ちた

森を

林を

行く行く行く

行き続けること

思ったりする

 

わたしにも

きっと

いろいろな顔や姿があるのだろうが

わたしという思いが

とらえきれるわたしは

ずいぶん少なくて

家でものに囲まれていたり

やらなければいけない用事に追われていると

わからなくなってしまう

わたしにとっての

わたしが

 

森を

林を

行く行く行く

ずんずん歩きながら

こうして歩いていること

歩き続けていること

わたしの生は

 

ほかのことは

わからない

 

正直

すっかり

わからない

 

歩きながら

ちょっと

とらえなおす

とらえなおせる気もする

わたしにとっての

わたし





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