夏の
李白は
こんなふう
に
歌う
暑くって
白羽扇で扇ぐのさえ
ものういよ
ここは林の中だし
まわりは
緑が生い茂っているばかり
上半身は脱いで
裸になってしまおう
頭巾も脱いで
石壁のでっぱりに引っかけちゃおう
松風に
頭を晒して
すうすう
ぞんぶんに
吹かれることにしようか
夏日山中 李白
嬾搖白羽扇
躶袒青林中
脱巾挂石壁
露頂灑松風
白羽扇を搖かすに嬾し
躶袒す 青林の中
巾を脱して 石壁に挂け
頂を露して 松風に灑がしむ
酒好きの李白なのに
上半身裸になった程度でやめているのが
控えめといえば
控えめ
後漢の劉松などは
酷暑の三伏ともなれば
昼といわず
夜といわず
袁紹の子弟たちと痛飲して
暑さを避けたという
河朔の飲だの避暑の飲だのと
言われる故事がある
しかし
冷えた生ビールなどない時代なのだから
下手に酒を痛飲したら
汗がよけいに出て
べたべたしやしないか
などと思ってしまう
どんな酒を
どんなふうに飲んだのか
ただひたすら酔って
暑さを忘れてしまおうとしたものか
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