2011年5月22日日曜日

挽歌



どこで掛け違ったのか
もう触れられない流れがあって
それがまだ続いているとは思うが
二度と近づくこともなく
合流することもないのかと寂しむ
わたしはひとりで
流れたちに発信を続けているが
ほとんど応答はないのだ
人生のどの地点で出会った流れとも
連絡を取りあっていきたかった
そう思ったわたしが
ひとり幼かったということか
ああ幼いままで
わたしも河口に向かっていく
地球には幾多の美もあり
よろこびも
心の透き通る瞬間もあった
しかしかたくなに
だんまりを湛えて往く流れたちに
深い傷を幾筋もうけて
それがキラキラと入り日に輝く
その輝きをことばに掬って
まだ流れていくというのだろうか
だれにも届かないことばに
輝きを移そうとして
すっかり生を台無しにし続けて

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