駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2012年3月1日木曜日
小舟が見える
いつも
小舟が見える
進んでいく
舳先を見ている
両脇に続くのは
葦か
舟が擦れて
時々
音が立つ
夢ではない
起きていても
見える光景
幼時からずっと
見続けている
生の比喩か
前世の
最後の光景か
小舟に乗り続けながら
進んでいく
舳先と
両脇の葦を
見ている
何十年も経ったのに
見えるのは
同じ光景ばかり
どこにも
辿りつかない
誰にも
出会わない
見続けている
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