駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2013年12月1日日曜日
見ないまま
わたしが死のことばかり書いていると
世界を見ない人びとは言う
いま大国を気取っているどこの国のはじめにも
ひどい戦争や内乱や大虐殺があったが
そんなことさえ見ずに
わたしが死のことばかり書いていると
見ないことに秀でた人びとは言う
だからわたしは言わないことにした
彼らに死期が迫っているのが見えた時も
見ないまま
見えないままに
逝け
見ない人たち
見ないことに秀でた人たち
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