ショスタコーヴィチの
交響曲15番の
第2楽章をくりかえし掛けながら
どこに帰る心でもない
透明になるのでもない
うっとりするのでもない
居るのでも
たぶん
ない
ありようで
ないようで
せっかく
しずかな湖のほとりにいるのに
むらさきの夕べに
出ていく気にもならない
ありようで
ないようで
…お茶も飲んでしまって
また
淹れようか
まだ
このままで
いようか
ジェーンが
そろそろ
車で着くはずだが
(やっぱり
(ザンデルリンクのがいちばん
(少なくとも
(今日のところは
どこに帰る心でもない
透明になるのでもない
うっとりするのでもない
居るのでも
たぶん
ない
しずかな湖のほとり
出ていく気にもならない
むらさきの夕べ
(なにか
(世界では
(起こったりしているのか…
プシケを造形したという
メタセルフォ作の抽象的な針金細工が
紫檀のテーブルの上に
次第に濃い影を伸ばしていく
行為へと
まだ傾く者の居る
世界があるのか、どこかに…?
おゝ、そうだ、水!
水!
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