2017年2月23日木曜日

聖カタリーナ



明るい部屋から
奥の暗い部屋のほうへ
さらに
奥の奥の暗い暗い部屋のほうへ

向かっていく
廊下を
この館のもっとも大事な
空間だと感じている

この明るい部屋から出て
すこし進んだあたり
闇が磨り立ての墨のように
まだひかりを
蔵しているあたり
そのあたりに
長い蝋燭を一本立ててあるが
あかりの揺らぎが
そこだけでなく
廊下のこちらにも
むこうにも
いつも
独特の空間を作り出している

蝋燭は
いちど点ければ
小一時間ほど保つが
管理は
聖カタリーナの仕事
あだ名だが
常住の
簡素な装いのお手伝いさんなので
いつからか
そう呼ぶようになった



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