健康診断で採血された時
「ちょっとチクッとしますよ
と言われた
看護師さんの常套句かもしれないが
考えてみれば
なんとも
やさしい言葉だと思えた
ところで
今年は
そんな採血の瞬間
いつもとは違う思いが湧いた
チクッ
っていう
それは
どういうことなんだろう
痛いということなのか
なにかが
細く細く当たったようなことなのか
そもそも
痛い
っていうのは
本当はどういう感覚だったろう
血管注射の針が
肌を突きぬけ
血管に刺さっていく感覚って
どういうものだったろう
それは
痛いのか
痛いのとは
ちょっと違うのか
チクッ
っていうのは
痛いのとは
別ものだったのか
こんなことを思ってしまって
なんだか
うずうず好奇心が
湧いてきてしまった
だから
注射針を刺される前から
なんだか
期待してしまったのだ
で
とりあえずの結論なんだけど
採血の時に注射針が刺さってくるのは
痛いのとは違う
チクッ
っていうのとも
ちょっと違う
子どもの頃から
何度も何度も注射針を刺されてきたくせに
なんと怠惰なことであったか
痛いとか
チクッとか
あたり前のように
そんな言語表現で済ましてきてしまい
しかも
けっこう納得してきてしまっていたと
じぶんのいい加減さに
けっこう驚いてしまった
痛いとか
チクッとか
そんなものでないどころか
ずいぶん集中してこの感覚に向き合ってみた結果
じつは
けっこう癖になるような
微妙な快感みたいなものもあると
発見してしまったのだ
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