通俗な物語の型から心身まるごと外れることの重要さ
つまずいて
倒れ
膝を擦りむく
この域に怠惰に身を置き続けるのをやめる
身というより
アストラル体を
メンタル体を
コザール体を
慣れ
ならい性
それらを本当に脱いでしまう
雨はたゞ降る
だけになり
体を濡らす
ことに
連結していかないまでに繋がりを解いてしまう
物語は溶解する
言葉は強力でシンプルな道具
装置
言葉から意味と感情をすっかり分離して
言葉からの反射を受けないすべを習得し切れば
ほぼ万能なスイッチが手に入る
配列のしかた次第で
最低限四次元の操作が可能になる
さあ
火をつけない煙草を吸ってから
マッチだけ擦ろう
マッチさえ擦らずに火を宙に出現させよう
あるいは
直接目的語なしに
吸うことをし
何万年も前の未開部族のある退屈した青年に
枯葉を巻いて火をつけて吸うことを思いつかせてみよう
それはいずれ数万年後にはうんざりするような物語素として固まる が
はじめのうちは新鮮なしぐさとなって
地上と天界を繋ぐだろう
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