浮世の事を外になして…
井原西鶴『好色一代男』
到来物のきしめんでも
食べようか
茹で時間十分
というのは
長いような気もするが
どう食べよう
考えているうちに
すぐ
経ってしまう
粉末のたれは
260ccの湯で溶け
とな
宮きしめん
というそうで
熱田神宮から宮の字を戴いた
と
栞にある
名古屋には幼時に住んでいた
血は江戸っ子だが
心は名古屋っ子
あの頃
あったのかな
この店
スガキヤは
覚えているけれど
添えるべきものがなにもないので
葱もなし
ほうれん草もなし
かまぼこもなし
お揚げもなし
で
ゴマをかけ
生玉子だけ垂らして
食べる
あゝ、
おいしいな
きしめんというのも
やはり到来物の
江戸味噌を
小皿に
すこし取り
ときどき
摘まみ
やはり到来物の
京都
三宝庵の笹ちりめんを
ちょっと
きしめんの上に
振り
そう悪くない
味の
かるい
昼餉
気づけば
名古屋
江戸
京都
の
揃った食卓
とは
相成って御座候
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