2020年1月8日水曜日

どこに居ても居させられてもそこになんて居やしない術




枠にとらわれない授業をする数学の先生のやり方を知ったが
なるほど
教科書も使わない
公式を教え込んだり
例題や演習問題で絞り上げるのでもない
パズルやクイズの連続のような時間のなかで学生たちみずからに
おのずと思考を繁茂させる
受けてみたかったような楽しい刺激的な授業

だけれども
ぼくだったらやっぱり
ムリかな
そんな授業でさえも

だって
そもそも教室にどうしてもぼくは行きたくない
きめられた時間に他のひとたちに合わせてどこかに出向くのがイヤ
そういうのが苦しくて
行こうと努力すれば途中でほかのほうへと電車で向かってしまう
ぼくだから

とはいえ
学校に通わねばならなかった頃は
ちゃんときめられた時間に間に合うように着いて
席に着いて
一定時間黒板のほうを向いてぼくだけの生命の時間を浪費させた
ぼくはちゃんとした学生だったのだ!

とはいえ
けれども
だけれども
教室に居るのはぼくの体と表面的な反応システムだけで
こころも頭も居やしなかった!
どこに居ても居させられてもそこになんて居やしない術を習得できたのは
学校や家庭や交友や社会のおかげ
だった
といえば
言える

学校よ家庭よ交友よ社会よ
ぼくはきみらのどこにも居やしなかったよ!
居たことなんてホントになかったよ!

どこに居ても居させられてもそこになんて居やしない術の達人
ぼくは!





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