駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2015年7月10日金曜日
夜の猫
夜の灌木の葉々に
なにかいるのか
いい香りがするのか
猫が背伸びして
いつまでも嗅いだり
前脚で引きよせたり
耳裏を付けたりしている
舌を打って呼んだら
しばらくこちらを向いたが
また向き直って
灌木の葉々に鼻先を戻す
なにかいるのか
いい香りがするのか
黒と白の混じった猫が
夜の輪郭を輝かせながら
いつまでも嗅いだり
前脚で引きよせたり
耳裏を付けたりしている
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