駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2020年2月4日火曜日
蜜柑した
蜜柑の皮を剥いていて
ちょっと思いついたことがあり
皮を剥き終わる前に
机の上に置いた
蜜柑を取り直そうとして
見ると
あまりにしっかりした
存在感に驚き
しばらく見入ってしまった
単にわたしに皮を剥かれ
何口かで食べられて
役割を終えてしまうものを
幾重にも重層的に超えた
なにか途方もないものがあった
師たる蜜柑よ!
わたしは自らを放下して
蜜柑した
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