2020年2月27日木曜日

夢のなかにひさしぶりに



 よその人に話す時には
おじいちゃんとかおばあちゃんとか言っちゃいけません
祖父とか祖母とか言わないと

そう教えられて育ったが
禁じられた呼び方を
きょうはしてみようかと思う

夢のなかにひさしぶりにおじいちゃんが出てきて
なぜだかまもなく死ぬことになっているのだが
ずいぶん元気でどうにも死を控えた人には見えない

死ぬことになっている場所に行かないといけないそうだが
いっしょにそこまで付いていっても
動きも声もしっかりしていてどうにも死ぬとは思えない

夢のなかでも40年前におじいちゃんが死んだのはわかっていて
死んだ人がもういちど死ぬなんてへんな話だと思っていて
矍鑠としていて明るく楽しそうなおじいちゃんを見ている

そうするうちになぜだかおばあちゃんに変わってしまって
これから死ぬのはおばあちゃんだということになってしまって
それにしたっておばあちゃんもやけに元気そうなのがおかしい

死ぬまでのあいだ時間をつぶさいないといけないので
むかしおばあちゃんは塾で子どもたちに勉強を教えたり
いろいろなお店でこまごまと働いたりしたのだと聞かされる

そんな話は聞いたことがなかったので
もっと前に聞いておけばおばあちゃんという人への見方も変わって
世界はべつの見え方をしただろうにちょっと残念と思う

おばあちゃんだって20年前ぐらいに死んでしまっているわけで
そんなことも夢のなかではよくわかっているのに
元気ですらすらと過去の生活を話すおばあちゃんを目の前にしてい

目覚める直前の夢だったので起きてもよく覚えていたが
おじいちゃんもおばあちゃんもなんで夢に出てきたんだろうと思う
ふたりいっしょに一心同体みたいなのはさすがに夫婦だからかなと思う




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