2020年2月4日火曜日

君子依乎中庸遯世不見知而不悔



野火イテ尽サズ、春風吹イテマタ生ズ
中国詩


うまく仕掛けたな
土着の先住民を根絶やしにして土地を奪ったあの連中の国は
201910月に自国の軍人300人を軍事計画参加のため
他ならぬ武漢に滞在させている
その後ちょうど2週間後に最初の感染例が武漢で報告されている
もともと5Gをめぐってあからさまな攻防を行っていて
ファーウェイへの攻撃も常軌を逸しているほどだったが
その国に展開していたあの連中の国の大企業の数々も
みな業務縮小や撤退を予定していたり公表していたりした
商務大臣は勝利宣言のつもりか馬鹿正直にも
ウィルス騒ぎのおかげで自国の産業が有利になると発表もしている
必要ならウィルス対策で援助してやるぞと告げてもいるが
これは原発事故の時に日本に持ちかけたトモダチ作戦そのもの
後でごっそり踏んだくろうと目論んでいるわけだが
さすがに大陸の大国は列島小国とは違ってダンマリを決め込んでい
もっとも大陸国のほうも肉を切らせて骨を断つ作戦に出ているのか
ある程度はウィルスが蔓延するがままに見せておいて
ピューリタン過激派の原理主義国の思う壺に嵌まったかに装い
今後の展開のために打つべき数十の手をひそかに重ねているところだろう
易経から老荘を経て史記や三国志に至る精神の流れが
ロンメルに勝ちはしたもののまだまだ若い現代のローマ帝国に
そう易々と負けるはずもない……

楽しい時代になってきたものじゃないか、
人生は冗談に過ぎず、この世は田舎じみたドタバタ劇に過ぎないが、
座興担当の神々はそれなりに必死で盛り上げようとしてくれる
奈良美智の絵をそのまま顔にしたようなグレタちゃん顔など
被ってしゃしゃり出てきたりして

読みかけの『中庸』(十一章)をしばし閉じ
時節がら喉のウィルス消毒に絶好で御座るよと
ロシアのゼムリンスキー君が持ってきてくれたウォッカを
小振りの酒器に注いでグッと飲み干す

子日、素隠行径、後世有述焉。吾弗為之矣。君子遵道而行、半塗而廃。吾弗能已矣。君子依乎中庸、遯世不見知而不悔。唯聖者能之。

子曰く、隠れたるを素(もと)め怪しきを行なうは、後世述ぶるあらん。吾はこれを為さず。君子道に遵(したが)って行ない、半塗にして廃す。吾は已む能わず。君子中庸に依り、世を遯れ知られずして悔いず。唯だ聖者のみこれを能くす。

子いわく、人には知ることができないようなことを探求し、あるいは怪しげなことを行うのは、後世にいろいろと語られ敷衍することはあるだろうが、自分はこれをしない。学んで君子たらんとする人は、よく善を択ぶことができ、道に遵って行なうことができても、力足らず道半ばで挫折する者があるが、自分には止むに止まれぬものがあるのである。中庸に依り過不及のない言動ができる盛徳の君子は、花々しい世間を外に隠れ逃れて、例え自己の才能を世に知られなくとも怨み悔いることは無い。このような行き方はただ聖人のみこれをよくすることができる。

宇野哲人の訳は少しもたれるかもしれないが、
意を尽くそうとすれば、こんなところか。

君子依乎中庸、遯世不見知而不悔。
とは、しかし、
よくぞ言うたというべき言葉である。
  遯世不見知
こそは
宇宙の中に落ち来たって意識をしばらく演じる者への
究極の指南である。

ゼムリンスキー君も
ここにいたらよかったのに
と思いながら
彼に短信をメールしよう
白居易の詩を借りようか

問劉十九 白居易
綠螘新醅酒
紅泥小火壚
晩來天欲雪
能飮一杯無

綠螘 新醅の酒
紅泥 小火壚
晩來 天 雪降らんと欲す
よく一杯を飮むや無きや

最後の行は
さあ、一杯を飲みに来ませんか
ぐらいに解せばいいのだろう
ね、漱石さん?




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