2022年7月12日火曜日

夏の暑さのなかにある核のようなもの

 


暑すぎるわけでもなかったが

湿度が増した時もあって

すこしつらい暑さとも感じられる日だった

 

しかし

これが夏のいちばん元気な時期で

つまり一年のいちばん盛りの時なのだと思いながら

すこし坂になっているところも歩き

片側に雑草の生い茂っているところも通った

 

なにか美しいものを見た気がする

 

だがそれがなんだったか

一日が終わる頃には思い出せなくなっていて

机を前にして座りながら

それでもあれこれ思い出そうとしたが

思い出せないまま

すこし寝落ちしてしまった

 

起きてから

陽のすっかり落ちた後

驚かされるほど

時間がゆっくりとしか進まない数十分が来た

じつは世界はこれほどまでにスローモーションなのだ

ひょっとしたら停止したままかもしれない

そう思わされるほど

時間がなかなか進まなかった

 

どこかで見たはずの美しいものは

とうとう思い出せなかった

 

ひょっとしたら

一年の頂点の

夏の暑さのなかにある核のようなものを

見たのだったかもしれない








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