谷崎潤一郎の『細雪』ふうに
たっぷりと
京都ならぬ東京を
生きてみている身としては
今年もまた
あちこちに出かけて
こってりと
桜の花見にもずいぶん時間をかけ
それに続く藤の花や
牡丹も忙しく見歩いてから
今度はバラ
というふうに忙しくまわり続けて
春から夏の入りを
過ごしていく
いやいや
そればかりでなく
三社祭も見歩き
ついで
山王祭も終わったかと思えば
今はハナショウブだの
カキツバタだの
アヤメだのの花ざかりで
忙しいこと
このうえない
これが済めば
ようやっと楽になるかと思いきや
もう7月には
6日や7日や8日と
入谷の朝顔まつりとなる
すぐに続けて
9日や10日には
浅草のほおずき市となり
東京人や江戸っ子には
まだまだ忙しい
くわえて
7月13日から16日には
もう靖国神社のみたままつりで
ここまで来ると
夏は真っさかりとなる
各地で夏まつりが催される頃となり
いつのまにか
秋まつりに入っていくので
どうやら
酉の市あたりまで
忙しいまま流れ込んでいくのは
毎年のこと
まわりでは
ふつうに種蒔きした朝顔は
まだあまり咲いていないようだが
あちらこちらの
鉄柵などに絡まった昼顔は
いまや
満開に近くなっている
満開になっても
昼顔
所詮は昼顔
といった
思いが人間にはあるのか
どうか
松本たかしは
こんな俳句を作っていた
昼顔やますぐな道のさびしさに
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