駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2015年1月5日月曜日
炎が立たないものだから
点けてみると
ほのぐらい赤さの電気ストーブ
炎が立たないものだから
いかなる記憶にも
かかわりのないような
しずかな燃焼が
時間をすこしずつ端っこから
消していく
笑った顔の写真を
毎年毎年撮っていたとしても
けっきょく抗する力にはならず
なにひとつ
写されなかったのと変わらない結末が
そろそろ見えてきている
力の自然ななりゆきがつねに勝利を収める
悪いほうに向かったわけでは
けっしてなかったのだ
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