2022年10月30日日曜日

幸しつ(ミトアタハシツ)

 

 

 

吾が身の陽の元を以て、汝が身の陰の元に合はせむと思欲ふ。

『日本書紀』上代

 

 


 

人の命はなぜ脆いのか

 

『日本書紀』は神代下で明解に答えている

 

天照大神(アマテラスオホミカミ)の孫の

天津彦彦火瓊瓊杵尊(アマツヒコヒコホノニニギノミコト)が

大山祇神(オオヤマツミノカミ)の地に到り

宮殿を建てて住んだ

 

浜で美女の神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)

またの名で呼べば木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)に出会い

妻にしたいと言う

 

神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)

またの名で呼べば木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)は

大山祇神(オオヤマツミノカミ)の娘だったので

父に尋ねてほしいと答える

 

そこで天津彦彦火瓊瓊杵尊(アマツヒコヒコホノニニギノミコト)

大山祇神(オオヤマツミノカミ)に話すと

大山祇神(オオヤマツミノカミ)は娘ふたりを差し向けてきた

神吾田鹿葦津姫((カムアタカシツヒメ)

またの名で呼べば木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)と

その姉の磐長姫(イワナガヒメ)である

 

天津彦彦火瓊瓊杵尊(アマツヒコヒコホノニニギノミコト)は姉を醜いと思い

召さずに送り返した

 

妹の神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)

またの名で呼べば木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)と交合した

神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)

またの名で呼べば木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)は一夜で妊娠した

 

磐長姫(イワナガヒメ)は大いに恥じて呪った

 

「もし退けられずに私が子を産んだならば

子は命長くいつまでも死なない存在になったであろうに

しかし妹ばかりを召されて身籠もらせたので

生まれる子は必ず木の葉のように散り落ちていくだろう」

 

ヴァリアント収集の書でもある『日本書紀』は別の説も記している

 

磐長姫(イワナガヒメ)は恥じ恨んで

この世の青人草は木の花の如くにしばらく移ろって衰えることになろう」

とまで言った

 

人民を意味する「青人草」は

『日本書紀』の記述にもっと即した表記では

「蒼生」となっていて「あをひとくさ」と読んでいる

岩波書店の「日本古典文学大系」版では

このくだりは

「顕見蒼生(うつしきあをひとくさ)は、木の花の如(あまひ)に、

俄(しばらく)に遷転(うつろ)ひて衰去(おとろ)へなむ」

とされている

 

われらが顕現界で

元気に見えていた人が急に衰弱して没したり

そうでなくとも

老いさらばえたり

病に冒されて衰えて逝ったりするのは

とりあえずは

天照大神(アマテラスオホミカミ)の孫の

天津彦彦火瓊瓊杵尊(アマツヒコヒコホノニニギノミコト)が

磐長姫(イワナガヒメ)を「醜し」と見て

返してしまったことから生じてきている

 

神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)

またの名で呼べば木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)を

「有国色(かほよし)」と見て

引き寄せて「幸(みとあたは)しつ」とあるから

“ミトを当て合わされた”

男女の性器を合わせた

と『日本書紀』は記述しているわけだが

「有国色(かほよし)」の女の「ト」への嵌めぐあいが

「醜」いと見える女の「ト」への嵌めぐあいに勝るとは限らず

ひょっとしたら天津彦彦火瓊瓊杵尊アマツヒコヒコホノニニギノミコト)は

目くるめく恍惚の交合を逸したのだったかもしれない

まだ若い男神であったのだから

姉妹ふたりをひと晩の間に抱くのは容易であっただろう

色道に疎い男神だったと言ってしまえばそれだけのことだが

いかに磐長姫(イワナガヒメ)を「醜し」と見たとしても

明かりを消して抱いてみれば

また別のよさがなかったとも言えまい

いずれにせよ

天津彦彦火瓊瓊杵尊(アマツヒコヒコホノニニギノミコト)の

軽佻浮薄な面食いの性質から

全人類の命の脆さが生じてきてしまうに到ったのだから

こいつ

放っておくわけにはいかない

 

しかも

一夜で妊娠した妹姫の

神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)

またの名で呼べば木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)のことも疑って

「ひと晩で妊娠するだろうか?わが子ではないのではないか?」

などとひどいことを言っている

言われた神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)

またの名で呼べば木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)はキレて

出産の際に部屋に火をつけて

「生まれてくる子が他の神の子ならば

子は不幸になるでしょう

本当に天孫の

天津彦彦火瓊瓊杵尊(アマツヒコヒコホノニニギノミコト)の子なら

火などものともせず

ちゃんと無事に生まれてくるでしょう」

と危険な証明を行なってみせることになる

この点でも

天津彦彦火瓊瓊杵尊(アマツヒコヒコホノニニギノミコト)は

ちょっとガッカリな

残念な男神なのである

 

ともあれ

燃えさかる部屋から生まれ出てきたのが

火酢芹命(ホノスセリノミコト)

火明命(ホノアカリノミコト)

彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)またの名を火折尊(ホノオリノミコト)

の三神だが

これはヴァリアントによっては

火酢芹命(ホノスセリノミコト)

彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)またの名を火折尊(ホノオリノミコト)

の二神とされている場合もある

火酢芹命(ホノスセリノミコト)がいわゆる海彦

彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)またの名を火折尊(ホノオリノミコト)が

いわゆる山彦である

 

ところで

“ミトを当て合わされた”

男女の性器を合わせたという

「幸(みとあたは)しつ」の「ミト」については

「ミ」が神や天皇の物や行為につけられる尊敬の接頭語で

「ト」は男性・女性を象徴する器官をいうが

語源的には

「瀬戸(セト)」「門(ト)」「喉(ノミト)」などにあるように

狭い水流や狭い通行点や通過点を表わす「ト」から来ているのだろう

短小の男根を一部の黒人女のような広い膣に挿入した際の

いわゆる「大平洋に棒一本」状態の悲喜劇交合ならば

“ミトを当て合わされた”

とは言いづらくなるので

神代の日本列島の女たちの膣は「ト」状態であったということか*

 

ちなみに

「嫁ぐ」という際の「ト」も性器を表わす「ト」であり

しかも「ツグ」は

順次に続くことや

欠けたところを塞ぐことなので

性器を合わせて塞ぎ

性器を合わせて塞ぎつつ家の代々を順々に継いでいく

というようなことを表わすことになるので

「嫁ぐ」というのは

露骨に性的な意味あいの言葉である

 

現代の結婚式の謳い文句の「嫁ぐ日」だの

「今日嫁いでいきます」だの

そういう発言に出会った時には

ニタニタして

「頑張ってこいよ」

などと言って送ってやるのが

やはり

ふさわしい

 

『日本書紀』 上代の

大戸之道尊(オホトノヂノミコト)や大苫辺尊(オホトマベノミコト)は

大戸之道尊(オホトノヂノミコト)が「大きい『ト』の男性」

大苫辺尊(オホトマベノミコト)は「大きい『ト』の女性」

ということになり

大戸之道尊(オホトノヂノミコト)が巨根の持ち主というのはいいとしても

大苫辺尊(オホトマベノミコト)のほうは

中が広くてブカブカ

スカスカの膣だったということなのか

それでもなんの問題もないほど

大戸之道尊(オホトノヂノミコト)の巨根が見事だったのか

あるいは

大苫辺尊(オホトマベノミコト)のクリトリスが大きくて

弄り甲斐のある名品であったのか

まあ

いろいろと思わされ

夜も更ける

日も昇る

月日は流れ

わたしは残る**

 

 



 

*このあたりの考察は、岩波文庫版『日本書紀』(一)の補注(pp.323-324)を元にしている。

**堀口大學訳のアポリネール「ミラボー橋」より






2022年10月29日土曜日

これから もっと

 

 

だいじょうぶさ…

これからあかるい未来が…

ぼくらわたしたちいっしょに…

無限の…

夢が…

希望が…

期待に胸ふくらむ…

 

という

ことばのキャンディーは

ポップスに

まかせておこう

 

あるいは

添加物いっぱいの食品でもうける会社や

壺なんぞ売ってなんぼの宗教や

毒注入の得意な製薬会社なんかが

スポンサーになっている

テレビのバラエティー番組の司会者や

歌って踊るサルみたいな

子どもグループの子たちに

まかせておこう

 

そう言うからといって

なにもここで

だいじょうぶじゃない…とか

これから暗い未来が…とか

ぼくらわたしたちいっしょに滅びていくばかり…とか

無限の底なしの闇が…とか

夢が消え失せて…とか

希望がすべて失われて…とか

期待に胸ふくらむことはもうない…とか

言おうとは思わない

 

だって

mRNAワクチンを打った人間はみな死に尽くすのだもの

人生ゲームオーヴァーだもの

底なしにバカだったのが証明されたのだもの

ひとり残らずね

打った子どもから成人まで

生殖年齢にある者から健康な子孫はもう

絶対に生まれて来ないのだもの

その家系は完全に絶え

ひょっとして生まれるかもしれない奇形児は

誰にも支える暇なんてないのだもの

打ったけどまだオレだいじょうぶだけど?

とのんびり構えている人も

体内で自己組織化している最中のマイクロチップ様のものが

いつ血管をふさいで

目を見えなくし

四肢のどこかで毛細血管を殺し

脳や心臓の大事なところにピチッと詰まって

ある夜寝たまま

ハイさようなら

息を止めさせられることになるか

わからないのだもの

いままだ生きのびていても

来月は

来年は

再来年は

不安と悔恨とをずっと抱えて生きていく

本当のリアルな舞台に

なにもここで

張り合おうとは

思わないもの

 

ごくろうさま

無料で毒物を注入する

人体実験に

わざわざご参加くださいまして

 

mRNAワクチンのあまりの危険さは

ちゃんと

プロトコルに書いてありましたよ

厚労省も

無理強いなんか

しませんでしたよ

どこまでも任意のものでしたよ

 

まさか

政府を信じるような愚行を犯したわけじゃ

ないですよね?

「直ちに健康に影響が出るわけではありません」の政府を

反日宗教にのっとられていた国賊政府を

 

まさかね

 

子どもじゃないんだから

 

そこまでバカじゃないはずだから

 

……なんて

底意地の悪いことを

書こうなんて

思うわけではないわけなので

 

だいじょうぶさ…

これからあかるい未来が…

ぼくらわたしたちいっしょに…

無限の…

夢が…

希望が…

期待に胸ふくらむ…

 

という

ことばのキャンディーを

ポップスから

借りていこうと

思うのね

 

これから

 

これから

もっと