プラスチックになりたかった頃
じつは
ワタアメにもなりたかった
どこに行っても
墓がやわらかくて
親しくしていたマシュマロが
嫉妬していた
ノートがぜんぶ海苔でできている国を
ながい廊下のつきあたりの
掃除具庫に行く途中で
横切らねばならず
羽虫に
そんな時はなればいいよ
なればいいよ
誰か
無責任な岩礁にささやかれて
なってみた
しかし
羽虫の世界も
けっこう階級社会で
ちゃんと
望みのままに
プラスチックになるべきだったと
悔やんだ
ワタアメにもなりたかった
いまは
「ならない」に
なりたい
ん
だ
けど
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