2023年2月21日火曜日

東京山脈の裾野に

 

 

長野あたりの森に暮らしている女性作家のことを

NHKがまとめていた

 

よけいなものを置かない

簡潔なたたずまい

 

木のぬくもりの感じられる

茶色っぽい室内

 

同時に

いつの時代でもモダンっぽく映える

清潔感や

さっぱり感のある

内装

 

つくる食べ物も

地元でとれるものを生かした

茶色っぽい

まとめかた

 

自然のふところに抱かれて

こころが

素に戻れるような

そんな瞬間を

たっぷり味わいながら

ものを書く

 

羨ましいことだなあ

もちろん

思いながら

見る

 

羨ましいことですなァ

 

まっこと

羨ましいことですなァ

 

けれども

冷蔵庫もオーブンも

キッチンぜんぶも

インテリアも

なんでもかんでも

最新式の

超都会ふうのものが完備されていて

そりゃあ

料理だって

洗濯だって

掃除だって

ササッと快適にできるよねェ

なのだった

 

映していないけれど

トイレだって

ぜったいに最新式のウォッシュレットのはずで

肛門にこびりついた大便カスを

容易に効果的にきれいに洗浄できる排便を

エンジョイなさっているはず

 

なぁにが

大自然のふところに抱かれて

だ?

 

なぁにが

こころが

素に戻れるような瞬間

だ?

 

いつでも

なににでも

ウソを

イツワリを

見つけてむかついてしまう悪魔のぼくは

思ってしまう

 

最新式の

超都会ふうの設備をしている時点で

田舎暮らしなんて

ウソッパチ

それって

ただの都会暮らしの延長

 

電気もガスも水道もなくて

もちろんWi-Fiなんかない田舎暮らしでなければ

田舎暮らしなんて

ウソッパチ

 

この国で

ちょっとかっこいいっぽい暮しを

テレビやマスコミに披露する人たちって

東京をセンターとするインフラや流通をしっかり確保した上で

東京山脈の裾野に別荘ふうのゴージャスなのを作って

どこまでも東京生活をし続ける人たち

 

なぁにが

大自然のふところに抱かれて

だ?

 

なぁにが

こころが

素に戻れるような瞬間

だ?

 

そんな「大自然」はぜんぶ原発由来の電気じかけだし

そんな「こころ」はぜんぶ電気で動く世評のあやつり人形

 

 




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