ごらん、冬は去り、雨の季節は終わった。
花は地に咲きいで、小鳥の歌うときが来た。
この里にも山鳩の声が聞こえる。
いちじくの実は熟し、ぶどうの花は香る。
恋人よ、美しいひとよ
さあ、立って出ておいで。
旧約聖書 雅歌 2・11-13
ひとは
きみの喜怒哀楽や
考えや
思いつきになど
見向きもしないことが多いが
うつくしい花や
いつもおなじようでも
無限の表情を見せ続ける海や
刻刻とせつなく色のかわる夕暮れなら
一瞬であれ
進んで目をむける
ことばなど捨てて
思いや
感情さえ放り出して
たとえば
Twitterや
Facebookに
花や海や夕暮れの写真だけを
載せてみたまえ
きみの考えや
感情になど目も向けなかったひとたちが
きみの投稿に
たちまち
目を向けはじめる
これがどういうことか
わかれば
世界とのきみのつきあいかたの
ほんとうのはじまりだ
ことばを使いたいのなら
花や海や夕暮れの写真のように
並べてみるといい
きみの置いていくことばが
まったく未知の
ほかのひとびとにとって
花や海や夕暮れそのものと
なっていくように
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