2023年2月22日水曜日

花や海や夕暮れそのものとなっていくように

 

 

ごらん、冬は去り、雨の季節は終わった。

花は地に咲きいで、小鳥の歌うときが来た。

この里にも山鳩の声が聞こえる。

いちじくの実は熟し、ぶどうの花は香る。

恋人よ、美しいひとよ

さあ、立って出ておいで。

旧約聖書 雅歌 211-13

 

 


 

ひとは

きみの喜怒哀楽や

考えや

思いつきになど

見向きもしないことが多いが

うつくしい花や

いつもおなじようでも

無限の表情を見せ続ける海や

刻刻とせつなく色のかわる夕暮れなら

一瞬であれ

進んで目をむける

 

ことばなど捨てて

思いや

感情さえ放り出して

たとえば

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花や海や夕暮れの写真だけを

載せてみたまえ

 

きみの考えや

感情になど目も向けなかったひとたちが

きみの投稿に

たちまち

目を向けはじめる

 

これがどういうことか

わかれば

世界とのきみのつきあいかたの

ほんとうのはじまりだ

 

ことばを使いたいのなら

花や海や夕暮れの写真のように

並べてみるといい

 

きみの置いていくことばが

まったく未知の

ほかのひとびとにとって

花や海や夕暮れそのものと

なっていくように






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