2023年11月29日水曜日

アレクサンドロスⅢ世の紀元前333年の姿を

  

 

いそがし過ぎるので

ガザとか

イスラエルとか

ユダヤ人とか

パレスチナとか

あのあたりのことにばかり

こちらの意識を

集中させているわけにも

いかない

 

とはいえ

イスラエルの異常さについては

人類史的な精神医学的問題と思うので

あれこれと考え直さざるを得ないし

いろいろと調べざるを得ない

 

つかの間だが

地球に潜入して

この星の特性や人類の研究をする任務を持つ者の

最低限のつとめ

 

ひとはすぐ

ユダヤ教の性質や

タルムードの奇矯さなどに

ユダヤ人の思考や行動の特性を求めようとするが

紀元前15世紀頃からの

彼らの祖先が被った激しい過酷な歴史変動について

彼らがたぐい稀な記憶を潜在意識の中に保持していることにこそ

原因はあるのではないか

と思える

 

少なくとも

アッシリアやバビロニア

さらにペルシアやエジプトなどの

巨大軍事国家による

絶えざる圧力と

それによる滅亡や離散などの経験をしっかり見ないと

21世紀におけるイスラエルの行動様式は

まず

分析できない

 

ヨーロッパの歴史を

イギリス史をものさしにしながら見ると

視点を安定させられるように

古代オリエントの激しい興亡の歴史は

イスラエルという小国をものさしにすると

整理しやすくなるところがある

アッシリアからも

バビロニアからも

過酷な扱いを受けてきたイスラエルには

歴史の爪痕が

くっきりと

生々しく残されている

天才指導者キュロスⅡ世のペルシア帝国は

なかなか寛大で賢明な扱いをしてきたが

それでも

イスラエルが従順に支配下に下ったからのことだし

エジプトからは

冷酷一方というわけでない

複雑な扱いを受けてきた

 

風のように現われて

大ペルシア帝国を滅ぼしてしまう

アレクサンドロス大王の東征が

当然のことながら

シリアやパレスチナにも

及んでいたのを確認し直すところまで来ると

ガザのあたりについての印象も

こちらの意識の底で

さらに大きく変容しはじめる

 

ペルシア戦争の時に

アテネの神殿をペルシアが破壊したことへの報復を理由に

アレクサンドロスⅢ世は

コリント同盟の盟主として

ペルシア遠征に乗り出した

37000人のマケドニア・ギリシア連合軍を率い

ヘレンスポントス海峡を渡り

グラニコス川のほとりでペルシア駐留軍を破る

そうして

その年のうちに

小アジア全土を征服してしまう

 

アレクサンドロスⅢ世は

シリアの入口のイッソスの戦いでダレイオスⅢ世を退け

シリア・パレスチナ海岸地帯を南下し

この時にこの地域のほとんどの都市を無抵抗のまま服従させるが

ティルスとガザは抵抗してきたので

戦って征服することになった

その後

ガザからすぐにエジプトに侵入し

メンフィスに無血入城する

 

アレクサンドロスⅢ世は

ペルシア支配からのエジプトの解放者とされ

エジプト人から讃えられて

ファラオの称号を与えられたり

アモン神の子と讃えられたりした

 

アレクサンドロスⅢ世は

地中海側に

港湾都市アレクサンドリアの建設を命じるが

これをうけて

オリエント各地に

同じ名前の都市建設がなされていくことになる

 

現在のガザの

どのあたりの道をどのようにたどって

エジプトとの国境の

どのあたりをさらにたどって

アレクサンドロスⅢ世は

エジプトに侵入していったのか?

 

現状を伝える多くの写真や

映像を見ながら

たぶん

今の世界で

わたしひとり

アリストテレスの弟子の

アレクサンドロスⅢ世の紀元前333年の姿を

かの地の

ひかりや埃や瓦礫や

血や

死体や

叫喚のなかに

望見しようとしている






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