真夏の水撒き当番

 

 

どの夏の

どんな時が

いちばん

暑かっただろう？

 

思い出すのも

遠い

過去になってしまうと

楽しい

 

どんな時の暑さも

どんな汗も

どんな火照りぐあいも

 

小学校に入ってからは

夏休みのあいだに

何日か

当番制で

学校の花壇に水撒きに行った

 

親しい友だちや

さほど親しくない友だちと

ふたりか

三人で組んで

校庭の端っこの花壇に

ホースで水を撒く

 

真夏の昼過ぎだったから

この水撒き当番の時が

ほんとに

暑かったの

なんの

 

麦藁帽子をかぶっていっても

目に入ってくる

なにもかもが

ギラギラ

原色に輝いていて

夏ってすごいものだ

この世ってすごいものだ

と思った

 

この経験が

もっと後になって

カミュを感じるのに役立ったし

ニーチェを感じとるのにも

役立った

 

カミュやニーチェも

絶対に

夏

小学校の水撒き当番を

させられてた

はずだ