2014年10月21日火曜日

津軽海峡ヒンデミット景色 13 (2014年版)

1000行詩走
1996年版制作の後、失われていった多くのものたちへの鎮魂のために



第十三部・最終部:1125行より終行1258行まで




体系に挿入された    (」)とすることで
入れ子細工は  さらに「(「)」とし
入れ子細工ではなく   (「(「)」)とし
体系が小部屋を
まさに小部屋として
支配するからだが
支配によって
翔部屋し、青い、すなわち、
ひろがる感覚があり、微細に震え続けるものを
友とせよ、慈しみ、労い、みどりの海原のように、
憧れる「見下ろし」として、カセットテープwo
大杉、し、糞玉婦人珠小城閣下のナイトガウンに
海峡をふりむけば白い悲しみまるめ
言語調達班の佐々木君どうしたの、
       とんカツとんキ、だったか、トン太だったか、
入れ子細工は縦横に孔アケラれ、たとえ見えなくても
縦横に孔をアケラれ、たとえ見えなくても
全とつながり、二十日、船出、二十日、船出、電信うけて、
理由のわからないことで、悩んでいるうち
老いぼれてしまうから、
黙りとおした歳月を
ひろい集めて 暖めあおう、もない
もない、ですよ、ですよ、
寒い友だちが訪ねて来過ぎた
何もない春、と
岡本おさみの歌詞をシュルばらフレーズして
辿りつくということ、あるでしょ
あるでしょ、人生には
そんな日、疲れてて、
薄ら寒くて、ひとり、
乾き切って、生命からから、
生命からがら
そんな時って…
あるわね、
からがらして、
なんのために
いきているの、わたし、
あるわね、
からがらして、
記憶が藁のようで、
未来なんて役所書類で、
あるわね、
からがら、して、
しすぎちゃって、音楽、ふいに
天国で
あした、ふいに、
オレンジしちゃって、読まれない
詩みたいに、無もお友達でさぁ、
モンマルトルの裏道みんな、
詩ってたって、死ぬじゃない、記憶
引き継がれないで、死ぬ、じゃない?
からがら、して、
し過ぎちゃって、空、あたしじゃないね、
思い、つよく、愛、むかし、手紙、
出さずに、持って、持ったまま、初雪の、
道、夕暮れて、とぼとぼと、内省して、
心のなかでひとりごちて、そうして心を、
境界づけして、とぼとぼと、馴染んだ発語、
暗い、わたしは。暗い、わたしは、なんて、
なんて暗い、体験が続いているの、ひと、他人、
熟したトマトなら太陽とともにある語、
からがらして、し過ぎちゃって、
暗い、わたし、渡したい、誰に?、笹の舟に
乗せてそっときれいな小川に流せば、いいけど、
いいかどうか、いいな、いいのだろう、いいぞ、
いいと発音せよ、せよ、すべて言葉じゃないかと、
言っても暗いわたしの迷宮にことの他わたしだけ
迷っていると認識すればやはり優先欲かしらね、
べつにいいけど、時計、やわらかい、腐肉、
紙、髪、神、加味して煮る六月饅頭用ペースト、
準備して、廃墟にお供えし、新しく生に踏み出す、
いつも、わたしたちは他者だから、他人だから、
新しく、いつも、新しむものがあって、ちから、
あって、個人の死も滅びも、いいの、どうでも、
他者だから、他人だから、いいの、死んでも、
唐でも、隋でも、清でも、死んでも、雪解けして、
死体累々でも春は来る、いいの、他人の死ですもの、
他者の不幸ですもの、不幸なんてだいたい、
見方によるじゃない?主観的ッテイウジャナイ?
あたし、わたし、舟、飛鳥、光、ほんだわら、キキ、
無意味に、言葉ならべるひとは貴重で、ちからは、
どこから来るか、繰るか、人間世界の論理では
もうちからを生み出せないところに踏み入った、
たしかに、たしかに、知られなくて、いい、いい、
また、イイしてる、いい、によって出るホルモンが
たぶんあるが、まあ、いい、いい、いい、いい、
色   いいが、なぜ、なおもあなたは生きようとするのか、
の  なぜ、進んで死なないのか、もう、死ぬ、べき、
たとえば ではないのか、いい、死ぬ、いい、べき、いい、もう、
の   いい、ではないの、いい、か、
挿入  いい、色、色がいる、いい、か、いい、色、
赤い、いや、(歪められる言説。色の無理やりの挿入で、出来上がりかけていた意味の系は崩れ、「色」という語を取り込みつつ、新たな系の創出に向かおうとする言葉たちの涙ぐましい自己組織性は〔)〕青い珊瑚礁を
む い 現実に見たことはなく、      すでにあるもの、
け る 複雑で魚の目の澄んだワイン色に  記憶にあるもの、
と い 小冊子のホチキス取れそうな    外界にあり、その影、
む る 手紙には、総譜と主要都市への、  純に雪崩るまで、
け い 事実がよく示しているような、   薄影のほこら、
と る 文学総務課人事担当松浦さんは、  薄雪、赤ふたたび、
む い 言葉たちほどミラーで、いすらむ  でも、お稲荷さんの、
け る 哄笑を電話でとったから、     ネ、あの、赤。
と い ぬる、ぬる、ふる、濃いし、
む る 素手で荻村から抱鳴雅兄きてチョウダイ。ネ、
け い                     ネ、
と る                      ネ、
む い                       ネ、
け る                        
と 座礁ではない
む 止まらない、意志、あるので、  
け 意志に、接着してくる言葉、というわけではなく、
と 要は、と言ってしまわず、わずかな脳内部の運動の、
む 停止に向かう電流に、わずかに、先んじて、あるいは、
け 神経細胞のべつの回路を快速して辿り、わずかに
と 先に、先に、停止へと着いて、停止して、なお進む
む それ自体に成っている、すでに、文学ではなく   
け 饗宴は遠くざわめき、風の吹き過ぎる途上、どこか、 
と どこでもない、忘れられた春草の新鮮なところ、   
む 呼び出されるまで、正当な、正統な勅命で、  正統な? 
け 呼び出されるまで、饗宴から離れているのだ、    …危
と いないことになっていて、うれしい、         険
む 人生もあるだろうし、今回それだろうし、       な
け いないことの疲労もあり、饗宴を離れて、       語、
と もう語ることも、しかたも、忘れた、「わたし」と    どう、
む 発語しても無責任に「わたし」と音つくりするだけで、  取り
け 正統を探している魂も、「わたし」とは、        込
と 切れたね、切っていくのだね、生きることも死ぬことも、む、 
む 生き変わりすることも、切っていくこと、維持も、   気、
け やがて切らんがための維持、継続も、愛も、癖も、   か
と 慣習も、失われる、                 ?
む 最期の一点のために、みんな、みんな、
          みんな







          終








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